では、社会保障にとっての財源として、何が一番ふさわしいのでしょうか。色々な考え方があると思いますし、研究者の考え方も様々です。その中でも私は、学習院大学の鈴木亘先生が提唱していらっしゃる、相続税の増税と社会福祉目的税化が望ましいと考えています。理由は三つあります。まず、相続税とは国民が死亡した時に残された資産にかけられる税金です。これは勿論故人の生前の努力によって築かれたものでしょうが、それを...
財政を健全化させるためには、歳入を増やすことと歳出を減らすことの両方を考えなければなりません。歳出削減は、効率化の一言に尽きます。まず同じ行政サービスを如何に低コストで行えるようにするか、そして不要なサービスは無いのか。この前者に関しては、公務員も真面目に取り組んでいると思いますが、不要なサービスを無くすことに関しては中々進みません。人口100人の自治体において、或るサービスを提供しているとす...
では、社会保障改革の必要性はなぜあるのでしょうか。そもそも、社会保障というのは国民に安心、安定を与えるものです。一定の社会保障を政府が提供することによって、国民は生産、消費といった経済活動に安心して取り組むことができるようになります。また、社会的な弱者の救済、一時的な困難に陥った人々の支援など、民間の経済活動だけではカバーしきれない部分を、社会保障が支えていくのです。社会保障を考える時に、私は...
これまで政府与党内で行われてきた、税と社会保障の一体改革に関する議論は、通常国会での大きなテーマとなりますが、国会での議論に入る前に私自身の基本的な考え方を述べておこうと思います。
言うまでもなく、財政健全化と社会保障制度改革は、経済面で日本が解決しなければならない大きな問題です。この二つは非常に密接に結びついており、だからこそ政府も税と社会保障の一体改革として形だけでも取り組んできて...
税と社会保障の一体改革、消費税、TPP、財政再建などの大きな課題は全て、経済財政の根幹に関わる問題です。財政金融委員会と予算委員会に籍を置く議員として、これらには真っ向から取り組んでいかなければならないと考えています。しかし現状では、本質的な議論をするうえで必要な情報が開示されていないどころか、恐らくは政府内でも共有されていないだろうという状態です。例えば税制を変更すれば、それは経済活動に影響...
今日は、今年最後の目ヂカラとして、今年一年の政治状況を全般的に振り返ってみたいと思います。
ねじれ国会のもとでマニフェストのバラマキと財政再建、税と社会保障の一体改革への迷走飛行が「思いつき」内閣のもとで続く中で、3月11日の大震災、原発事故が発生しました。菅政権は元々何を目指しているのか分からず、誰が指導者なのか、意思決定がどのようなプロセスで行われるのかもはっきりしない内閣でしたか...
また格付けが注目を浴びるようになってきています。今年は1月にS&Pが日本国債の格付けを引き下げ、8月5日には米国債を格下げしました。8月24日には今度はムーディーズが日本国債を格下げしています。ちなみに、ムーディーズは米国債を格下げしていません。そして秋になると、S&Pが9月19日にイタリアを格下げ。10月4日にムーディーズが同じくイタリアを格下げ。さらに10月13日にはS&a...
日本経済は1991年のバブル崩壊以来、低迷を続けてきています。どのような指標によって経済の力を測るかによって落ち込みの大きさに関して違う見方があったり、あるいは所々経済力が回復しているように見える場所があったりもしますが、基本的に大きなトレンドとして下向きであった、右肩下がりであったということには異論がないでしょう。
日本は今、震災からの復興という大きな課題に直面していますが、たとえ復...
ユーロ圏の経済混乱が続いています。ギリシャがデフォルトするのか、イタリアは、ポルトガルはどうなるのか、そしてドイツはどうやってこれらの国々を助けていくのか。予断を許さない局面が連続し、世界中が固唾をのんで見守っています。そんな中で中国がイタリア国債を購入するとか、スイス中央銀行の為替政策によってスイス円の為替レートが急落して日本国内の個人投資家が損失を被ったり、影響は裾野を広げてきていると言っ...
今年8月末にワイオミング州のジャクソン・ホールで米国連邦準備理事会 (FRB)の年次会合が開かれました。昨年同時期に行われた会合については、FRBの バーナンキ議長がQE2とよばれる量的緩和策を示唆したこと、そして会合参加中の白川日銀総裁が日本における緊急緩和策検討のために 急遽帰国したことが、記憶に鮮明に残っています。日銀は昨年8月30日に緊急の政策決定会合を開いて追加緩和策を打ち出したもの...