国会活動

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植田総裁に対して「今のように不安心理が急激に高まっている時には、はっきりとしたメッセージを送るべきである」と強く求めました。また、高齢者のみを対象としたNISA適合商品についても提案をしています。
 
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〇中西委員

皆さん、おはようございます。自由民主党の中西健治でございます。

世界中、そして日本も含めて大変な状況になっております。今日は日銀総裁にお出ましいただいておりますけれども、いま一度、この局面において、日本銀行の金融政策について整理を少し試みたいというふうに思っております。日銀総裁には分かりやすい答弁をお願いしたいと思います。

 

まず、これまでの金融調節、引締めについて、その理由をお伺いしたいと思っています。

三月の政策決定会合の主な意見では、物価に関して、ほぼ全員がインフレ目標達成への自信の高まりを示しており、そのうち約半数がインフレの上振れリスクを指摘しておりました。さらに、総裁自身、先月、三月二十六日の当委員会で、現在の実質金利は極めて低い水準にあるとの認識を示しておられます。

 

実質金利が極めて低く、インフレに上振れリスクがあるのであれば、当然、利上げを急がないといけない、こういうことになるかと思いますが、今の日銀にはその気配は感じられません。

 

さらに、政策決定会合の要旨を見ても、記者会見などでの発言を聞いても、総裁は、インフレを退治するために利上げをしたとか、インフレ退治のために利上げを続けるなどとは一言もおっしゃっていません。むしろ、データがオントラックに推移すれば利上げする、こういう物の言い方をされております。

 

したがって、今の利上げ局面は、あくまで金融政策の正常化を目的としたものではないかと思われますけれども、この点について総裁に伺いたいと思います。

 

○植田参考人

お答えいたします。

私ども、基本的には、二%の物価安定目標を持続的、安定的に実現するという観点から政策を運営してまいります。長期的な物価の動向に関係が深い基調的な物価上昇率というものを注意して見ておりますが、これは二%に向けて徐々に高まってきているということを確認する中で、昨年三月以来、何回かの政策金利の引上げを実行してきたところでございます。これは、繰り返しになりますが、物価安定目標を持続的、安定的に実現するという観点で行ってきた政策変更でございます。

 

○中西委員

正常化というようなことについて今全くお答えをいただいていないわけでありますけれども、普通、多くの中央銀行というのは、金融政策を使って経済に働きかける、こういうことをするわけですけれども、総裁の、経済がオントラックであれば利上げするというのは、やはり金融調節を目的としているというふうに思わざるを得ないというふうに私自身は考えております。

 

ただ、私は、この金融の正常化ということ、これ自体は否定されるべきものではないだろう、いざという事態が生じたときに金融調節ができる柔軟性、これを確保するということは極めて重要だというふうに思っております。

 

総裁は就任以来、私は、順序立てて、非伝統的金融政策を排して利上げを行ってきている、こういうふうに考えておりますので、これは私は、政策をいざというときに発動できる柔軟性を確保するということも、日銀のこれまでの政策決定の中で大きな理由になっているのではないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。

 

○植田参考人

やや繰り返しになってしまうかもしれませんけれども、私どもは、ここまで金利を少しずつ引き上げてきた背景といたしましては、経済、物価情勢が改善する下で低金利を継続しますと、金融緩和の度合いが過大なものとなるおそれがありまして、場合によっては物価上昇率が加速する、後になって急速な金利の引上げを迫られてしまう、こういうリスクもある。

 

こうした状態を回避しつつ、経済、物価情勢に応じて適切に政策を運営していくことが、物価の安定を通じて息の長い成長を実現していくことにつながり、国民経済全体にメリットを及ぼすというふうに考えてきたところでございます。

 

○中西委員

物価が思わぬ上昇を将来するのかもしれない、それを予防的に、ないようにする、そうしたことも一つの重要な政策目的だろうというふうに思いますが、やはり金融の正常化ということも大変大きな目的ではないかというふうに思います。

 

FRBの元議長、バーナンキさんが、量的緩和政策については、理論的には効果がないが実際には利いた、こういうふうなことを言っております。それは、異次元の政策を取ったわけですから、この異次元の政策というのは理論的に説明できるものでもない、こんなようなことを言っていらっしゃるわけですけれども、今もまだ日銀は、量的緩和を縮小しつつありますけれども、やはり異次元にいるのだろうというふうに思いますので、そこから普通の正常な世界に戻るために、私は金融政策を今まで引き締めてきているんだろうというふうに思います。

 

それで、今回のトランプ・ショックであります。新たな事態が起きたということではないかと思います。

 

多くの方が大恐慌のさなかに、一九三〇年、アメリカではスムート・ホーリー法というのが制定されましたけれども、平均関税率が四〇%に引き上げられたということがございました。そして、大恐慌は更に長引くということになりました。今のトランプ関税というのは、この一九三〇年のことを考えると、先祖返りしたにすぎないのではないか、こういうふうに思えるところがございます。

 

ということは、トランプの数年間、四年間かもしれません、四年間だと思いますけれども、経ても、アメリカはこの政策を取り続ける、先祖返りしているわけですから、可能性は否定できないだろうというふうに思います。ですので、大地殻変動が起きている、そして影響が大きく、長く続く可能性があるということなんじゃないかと思います。

 

これだけのショックが起きてきているので、私は新たな対処すべき事態が日本銀行にとっても生じているのではないかと思いますが、その認識はいかがでしょうか。

 

○植田参考人

今般の自動車関税あるいは相互関税の導入によって内外の経済、物価をめぐる不確実性は高まったというふうに、もちろん見ております。それがどういう経路を通じて我が国経済、物価に影響を及ぼすかという点については、複数の可能性がございますので、現在、注意深く分析を続けているところであります。

 

また、関税政策が今後どういう展開をたどるかという点についても、ある程度不確実性がまだ残っているというところでございます。こうした動向を十分に注視しながら、適切に政策運営を進めてまいりたいと思っております。

 

○中西委員

注意深くですとか注視するということをおっしゃいましたけれども、やはり、もっとはっきりしたメッセージを送らないといけないんじゃないかというふうに私は思っております。

 

これだけの事態ですから、大変大きな影響、不安心理が人々を覆っている、世界を覆っている、日本を覆っているということなんじゃないかと思います。総裁は金融の正常化ということをおっしゃいませんでしたけれども、私は、これまで金融正常化、まだ続けたかったんだろうけれども、これだけのことが起こってしまったので、これにはしっかり対処していくべきだというふうに考えております。

 

はっきりしたメッセージということでいうと、大変参考になるのが、ギリシャ・ショック、ユーロの通貨危機、ギリシャ通貨危機のときの、そのときのECBの総裁であったドラギさんの言い方であります。ドラギさんは、そのときに極めてシンプルなメッセージを発しました。それは、「我々の権限の範囲内で、ユーロを守るためには何でもやる用意がある、そうして信じてほしい、それで十分だ」、こういうシンプルで強いメッセージを発しました。そして、これがドラギ・マジックと言われましたけれども、ユーロ危機というのは、通貨危機というのは収束に向かっていったということであります。

 

やはり、これまで日銀というのは、世界初の、白川さんのとき、黒田さんのとき、いろいろな政策を打ったことは間違いありませんけれども、それが響いたかというと、なかなか響かず時間がかかったということなんじゃないかと思います。やはり、強いメッセージ、クリアなメッセージを日本銀行には出してもらいたい、こういうふうに思います。

 

こういう危機を、もう危機と呼んでいいと思いますが、迎えて、注視する、注意深くではなくて、あらゆる手段を動員する、そうした用意はございますか。

 

○植田参考人

関税政策につきましては、先ほど申し上げましたとおり、今後の動向はどうなのか、どう変わっていくのかという点も含めて、残っている不確実性がございます。これを丁寧に見極めつつ、私ども、経済、物価情勢、あるいは市場動向も確認し、見通しをしっかりと持ち、それに応じて適切に政策を判断するという姿勢でございます。

 

○中西委員

総裁、適時適切を繰り返されてされています、注意深く見守るということもおっしゃっていますけれども、これだけは言いませんか。政府と日銀は歩調を合わせてしっかりと対処していく、日銀総裁、お願いします。

 

○植田参考人

もとより、私ども日本銀行としましては、政府と緊密に連携しつつ、引き続き、市場動向あるいは経済、物価への影響を十分注視してまいりたいと考えております。

 

○中西委員

政府は切迫感を持って対処しようとしていますので、きっちりと歩調を合わせて対処していってもらいたいと思います。日銀総裁への質問はこれで終わります。御退席いただいて結構でございます。

 

○井林委員長 日銀総裁、御退席ください。

 

○中西委員

続きまして、株式市場は大変なことになっていますが、ちょっとNISAについて金融庁並びに金融担当大臣にお伺いしたいと思います。今、三万三千円、日経平均で昨日は三万三千円ちょっとというところでしたけれども、新しいNISA、去年の一月、新NISAが始まったときの株価は三万三千百九十円でありました。ということは、ちょうどそのレベルに昨日の終わり値あたりではいたということになります。

 

これからまた一段下がっていくということになると、ああ痛いということになる人も出てきますけれども、実は、一旦は上に上がったのが返ってきている、こういう水準であるということは知っておいていただきたいというふうに思います。その上で、やはり、長期、分散がNISAの制度の意味合いですから、しっかりと長期、分散でまた投資を続けていってほしいなというふうに私自身は思っているところであります。

 

その中で、このNISAですけれども、長期の運用ですので、元本を取り崩すようなことはしない、利息は、配当はすぐそのまま再投資に向ける、こういう商品が対象となっております。それは意味のあることだろうというふうに思いますが、このNISA、一年終わってみて、やはり若い人の利用率が非常に高いんです。二十代、三十代、四十代、五十代ぐらいまで、三十代、四十代がピークなんですね。そこからだんだん下がってきて、年齢が上に上がると余り関心がなくなっていく、使っていないということになります。それはどういうことかというと、やはり、お年を召してから、積み立ててくれといってもなかなかということなんじゃないかと思います。

 

そんな中で、今、御高齢の方々、年齢が高い方々に限って、元本を取り崩してもいい毎月分配型の商品というのは、年金は隔月ですから、それの補完をするものとしても大きなニーズがあると思いますが、こうした商品を年齢を限って認めていくというのは、金融担当大臣、いかがでしょうか。

 

○加藤国務大臣

御指摘のように、高齢者においても口座数は増加はしているものの、二十代、三十代と比べるとその伸びは小さいと認識をしております。また、これまでも、今おっしゃるような取崩し型というんでしょうかね、分配型に対する御要望というのも頂戴はしていると思いますが、他方で、そうしたものが、これまでもそういった商品があって、それがどうだったのか、特に手数料等々含めていろいろな課題があったということも委員御承知のとおりだろうと思っております。

 

私どもとしては、まず、そうした商品構成を云々する前に、高齢者においても、長期、積立て、分散なんですけれども、高齢者からいうと長期、積立てはちょっとあれかもしれませんが、分散というのはまだまだありますし、高齢者においても、預貯金の形でかなり高い割合を持っておられますから、そういった意味においても、それぞれの御本人が、これからの人生の中でどういうライフイベントがあって、それに向けてどういう現金が必要だ、どういう流動性を確保しなきゃいけないというようなこともしっかりプランニングしていただいた上で、そうでない部分についてはよりうまく運用していただく、こういったこともしっかり申し上げていくことが必要だ。

 

そういった意味において、NISAの活用も含めて、金融経済教育、これを通じて、これは若い方だけではなくて高齢者の方も含めて、全般的な展開、これをしっかり努めていきたいと考えています。

 

○中西委員

質問を終わりますけれども、私は、高齢者向けに、年齢を区切った上で、プラチナNISAみたいなものをつくったらいいだろうというふうに思っております。

どうもありがとうございました。

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トランプ関税は、アメリカの平均輸入関税率を約40%にまで引き上げて、大恐慌を一段と深刻化させたスムート・ホーリー法(1930年)とそっくりです。「注視し確認し適切に、、」という答弁に終始する植田総裁に、「政府と日銀が一体となって取り組む」という気概を示すよう迫りました。
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国民の皆さんの生命と財産を守り、より豊かな国とするには何をするべきか、力を込めてお話しました。地元の鶴見区、神奈川区、横浜市内だけではなく、小田原や鎌倉、東京からも多くの方にご参加いただき感謝以外の言葉が見つかりません。本当に有難う御座いました。
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金曜日の本会議では、「中小企業税制」「防衛財源確保」「就業調整への対応(個人所得税)」「後年度影響試算(税収弾性値)」「外国人旅行者の消費税免税措置の廃止」を取り上げました。
 
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自由民主党の中西健治です。自由民主党・無所属の会及び公明党を代表して、ただいま議題となりました「所得税法等の一部を改正する法律案」について質問をいたします。
本年は、戦後80年に当たる節目の年であります。
また、明治維新から終戦までも約80年でありました。終戦を挟んだ前後80年において、我が国は政治・経済両面において大きな変化を遂げてまいりました。
この節目の年において、これからの80年の我が国のあり方を展望し、地方創生、経済再生、国際環境の変化への対応など、内外の課題に対してあらゆる政策を動員していかねばなりません。
こうした観点を踏まえ、令和7年度税制改正について質問いたします。
石破総理が掲げる「地方創生2.0」は、「都市」対「地方」という二項対立ではなく、都市に住む人と地方に住む人が相互につながり、高め合うことで、すべての人が希望と幸せを実感できる社会を目指すものと理解しています。
そのためには「都市」「地方」を問わず、全国各地の産業や雇用を支える中小企業に対して、税制支援を通じて思い切った投資を促し、地域経済に好循環を生み出すことが重要です。
こうした観点から、今般、中小企業税制の拡充が行われたところでありますが、どのように中小企業のチャレンジを後押しし、活力ある地域経済の実現につなげていくのか、総理の見解をお伺いします。
次に防衛財源の確保について伺います。
今から約2000年前。共和政ローマの高名な政治家であり哲学者であるキケロは、「資金がなければ戦(いくさ)はできない」つまり「お金がなければ、国を守るために戦えない」という演説を行ないました。
ロシア、中国という軍事大国や、核兵器の開発を公然と推し進めている北朝鮮などに囲まれ、戦後最も厳しい安全保障環境にある我が国の現状に鑑みると、防衛力を抜本的に強化するための安定的な財源を確保することは「今を生きる我々の、将来世代への責任」であります。
これまでの行財政改革や税外収入・剰余金の活用などの様々な努力に加え、本法案には防衛財源確保のための税制措置が盛り込まれております。
今一度総理から、防衛財源確保の重要性と今般の税制措置の必要性についてご説明をお願いいたします。
長く続いたデフレ状態からの脱却という大きな経済情勢の変化への対応が課題となっている所得税の見直しについて伺います。
今回の税制改正では、物価上昇局面における税負担の調整の観点から、所得税の基礎控除や給与所得控除の引上げを行うこととされております。
加えて、税制が一因となって、年末が近くなると学生アルバイトが「今年はこれ以上働けません」と就業調整しているとの指摘があり、これに対応する新たな措置が盛り込まれました。
これは、厳しい人手不足に直面する事業者にとっても重要なものであります。
学生アルバイトの就業調整への対応として、今回どのような見直しを行なったのか、また、その意義について、財務大臣からご説明下さい。
後年度影響試算について質問いたします。
財務省が公表する「後年度影響試算」は、中長期的な財政状況を意識した予算編成を促すものでありますが、その中で使われる税収弾性値は、名目成長率と税収との関係を示すものであるために注目を集めております。
ただ、本年度から従来の1.1から1.2へ改定となったものの、ここ数年は税収の伸びが名目成長率を著しく上回る年があるなど、試算自体の有効性に対する疑問の声も聞かれます。
その大きな理由には、昭和51年度から令和5年度までの48年間という極めて長い期間のデータを参照していることもあると思われます。この間に経済や社会の構造が大きく変化した上に、消費税の導入、所得税率や法人税率の大きな変更などもあったことから、税制自体も変わっております。
我が国の戦後の景気循環は平均すると一(ひと)サイクル約55か月、4年半となっています。こうしたことを踏まえながら、「後年度影響試算」における税収の推計を、より適切に行っていくべきと考えますが、財務大臣の見解をお伺いします。
最後に、この場をお借りして、改めて外国人旅行者の消費税免税措置の廃止についてお伺いします。
昨年12月の財務金融委員会においてこの問題を提起し、SNSにも投稿したところ、X、旧ツイッターだけで98万人もの閲覧があり、大量のコメントのほとんどが賛成というものでした。
さらに、予算委員会や一昨日の財務金融委員会では、野党の委員からも全く同じ趣旨の質疑が行われており、この提言に対しては与野党を問わず賛成する方が多いと承知しております。
2023年の免税購入額は1兆5855億円でした。昨年はおそらく2兆円を大きく超えており、従って免税額も2000億円超と推計されています。また、全国の免税店は約6万店となっています。
従って、影響が極めて大きいことを踏まえて、当事者の皆さんの声をよくお聞きしながら、たとえば日本の良さを知ってもらうために、「海外のブランド品を除外し、国産品だけを免税の対象とする」などと言ったことも含めて、議論を前に進めて行くべきではないでしょうか。
本件について、改めて財務大臣にお伺いします。
本法案の審議を通じて、あるべき税制の実現に向けて真摯な議論が重ねられていくことを祈念し、私の質問を終わります。

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昨年12月の財務金融委員会での質疑の模様です。この問題の要点の部分を、取り出して編集しました。しっかりと取り組んでいきます。
 
2025年1月24日
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地元生麦の安養寺の古屋ご住職も、参加されていました。通常国会初日の早朝に心を清めて国会に向かいます。
2025年1月11日
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2024年は世界的に選挙の年でしたが、日本は今年も熱い夏になりそうです。参議院議員候補予定者の「わき雅昭」さんと私が、一緒に写っているポスターの貼り出し中です。
 
2024年12月31日
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この1年、大変にお世話になりました。寒い日が続きますが、どうぞお体に気を付けてお過ごしください。よい年をお迎えくださいますよう、心からお祈り申し上げます。
投稿用
 
先日、横浜港大さん橋で続けられている実証実験も視察してきました。日本発の技術を海外勢に負けることのないように、しっかりと応援していきます。
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「金利のある世界の到来と我が国の財政運営」「外国人旅行者の消費税免税措置の廃止」というマクロとミクロの両面の質疑を行ないました。
 
 
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○中西委員

おはようございます。自由民主党の中西健治です。私は、2010年の参議院当選以来、当時の民主党政権の野田財務大臣に始まり、以来、歴代全ての財務大臣に対して質問に立ってまいりました。財務大臣としての加藤大臣には初めての質問ということになります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

加藤財務大臣が就任され、所信を述べられた際の経済、市場の環境がこれまでの大臣のそれと決定的に異なるのは、日本銀行が金融引締めに動き、実際に金利が上昇し始めているということであります。

 

私自身は、三十年にも及ぶ粘着性のデフレに苦しんできた我が国ですから、金融引締めは決して急ぐことなく、消費者物価や賃金に関するデータを一つ一つ確認した上で、いわゆるビハインド・ザ・カーブになっても構わない、ゆっくりと進めていくべきだと主張しているところであります。

 

ただ、引締めのスピードの考え方に関する差はあるとはいえ、利上げ局面であることは変わりないだろうというふうに思っております。こうした中で、この金利上昇局面で財政を預かられている財務大臣としてはどのような対応をしていくのか、まずお伺いしたいと思います。

 

○加藤国務大臣

まず、今、デフレではない状況からいかにデフレを脱却できる、そういう、要するに後戻りしない状況にしていくのか、これが大変大事だと思っております。そういった意味においても、経済あっての財政という考え方に立って、まずは本格的な経済の成長に向けて取り組んでいくということ、これが政府全体としての基本だと思います。

 

その中で、委員御指摘は、多分、国債の管理政策のことであるとすれば、まさに日銀の一連の政策が変わっていく中で、これから国債をどう確実にかつ円滑に発行していくのか、また、その中で中長期的な調達コストをどう抑制をしていくのか、こういったところに配慮しながら国債管理政策を運営していく必要があるというふうに思っております。

 

金利の動向や投資家のニーズを見極めた上で、市場との対話、これを丁寧に行いながら、適切な国債管理政策の運営に引き続き、また、今おっしゃったように局面が変わってきたということもしっかりと認識しながら対応していきたいと思っています。

 

○中西委員

国債管理政策という点では、金利が低いうちになるべく長く調達するというのが基本になるということだと思いますので、それは今まで財務省もしようとしてきたということではないかと思います。

 

金利が変動する時代においては、やはり予期せぬ経済ショックに耐え得る財政運営が求められるだろうというふうに思っています。よく、財政健全化というのは何のために行うのということに対して、いや、財政健全化のためだという、何か、半ばトートロジーのような問答というのがございますけれども、私は、財政健全化というのはリスクマネジメントだというふうに常々主張しているところでございます。

 

何が起こるか分からないので、そのための財政余力というのは常日頃から持っていかなきゃいけない、それがリスクマネジメントだ、このように考えております。

 

今、少数与党ということになりました。折しも、フランスでは、少数与党が緊縮予算を作ろうとして、結局、内閣総辞職。その上で、ムーディーズがフランス国債を格下げするという事態にまで発展してきております。

 

市場の、内外の投資家などに聞きますと、やはり、これまで日本というのは、国民の担税能力というのは高い、これはよく分かっている、いざとなったら、もし財政が悪くなったら徴税を行うことができる、余力があるということで、格下げなどは避けられてきた、こういうふうに言われているわけですが、少数与党ということになると、その課税能力、徴税能力、こうしたものに対してもやはり注視して見ていかなきゃいけない、こんなことがよく返ってまいります。

 

今後の、こうした状況を踏まえながら、財政健全化についてどのように考えるのか、そして、それをどのように市場にコミュニケートしていくのか、そこら辺、財務大臣のお考え、お聞かせください。

 

○加藤国務大臣

先ほど申し上げましたように、まず経済あっての財政ということで、持続可能な成長の実現に向けた経済構造の強化を進め、日本経済を新たなステージへ移行させる。同時に、経済、財政健全化の旗は降ろさず、財政に対する市場の信認を確保し、将来世代への責任を果たしていくことが重要だ。

 

そうした観点に立って、予算編成においても、経済、物価動向等に配慮しながら、これまでの歳出改革の取組を継続する一方で、重要な施策の選択肢を狭めることがあってはならない、これは骨太の方針の2024に明記をされておりますので、これを踏まえて、真に必要な事業への予算の重点化など、めり張りの利いた予算編成を行っていきたいというふうに考えております。

 

そして、同時に、国債へ投資をされる海外投資家なども含めて、国債に対する信認、あるいは財政の動向、これをしっかり説明していくことは大事だというふうに思っています。

 

実際、財政の動向は、予算や、今お話があった税制に係る政策判断、また経済情勢によって大きく変化をしていくわけであります。そのために、経済財政諮問会議において、足下の予算を反映した歳出歳入両面の対応や、直近の金利動向も踏まえた中長期の経済財政の見通しとして、年二回、中長期試算をお示しをし、これを踏まえて、金利上昇の影響など経済財政運営についての議論を行っていただく。

 

また、財務省においては、財政制度等審議会において、各分野の予算の内容にとどまらず、長期的な財政の姿についても、例えば、金利上昇による利払い費の増加幅に関する試算をお示しするなどして議論をしていただいている。

 

こうしたことも通じて、また、国会においてこうしたやり取りをさせていただく中で、国民の皆さんに分かりやすい説明を努める中で、財政に対する信認、しっかり引き続きいただけるよう努力していきたいと考えています。

 

○中西委員

これは、政府のみならず、与野党問わず意識していかなきゃいけないことなんじゃないかと思います。

 

もし格下げというようなことになった場合には、為替が円安に振れるということも起こり得るでしょうし、あと、ドルファンディング、銀行の海外でのファンディングが非常に厳しくなるので、それは、ひいては日系企業のファンディングがきつくなるということになりますので、そこは与党、野党問わず意識していきたい、意識していくべきであろう、こういうことを付言させていただきます。

 

続きまして、外国人旅行者への消費税免税措置についてお伺いします。

 

外国人の友人からは、日本に来て、安い、安い、安い、こういうふうに言われます。余り気持ちいいものではないですから、だったら、消費税を払ってでも買物するかと聞き直します。そうすると、買う、買うと言うんです、する、すると。消費税を払ったって安いものは安い、こういうことを言います。

 

これは為替の影響だけじゃなくて、長い間デフレが続いてきたので、国内での価格づけが、日本の商品のみならず海外の商品についても安く設定されているということも大きいのだろうというふうに思います。

 

であれば、私は、いっそのこと消費税免税措置というのはやめてしまうべきだ、こういうことを党の税制調査会でも何度も発言をさせていただいていますし、近頃ブログを書いたんですけれども、そのブログをXに上げたところ、97万人の方が閲覧して、ほとんどの方がコメントで賛成だ、こういうことを書いてくれております。

 

まず、事実確認を幾つかしていきたいと思いますけれども、2023年、昨年の外国人旅行者の免税購入額をお伺いしたいと思います。

 

○小宮政府参考人

免税購入金額でございますが、輸出物品販売場が免税販売を行う場合に国税庁へ購入記録情報を随時送信することとされておりまして、これを2023年について機械的に集計いたしますと、免税購入金額は約1兆5855億円となります。

 

○中西委員

外国人の国内での消費額5兆3000億円に対して、1兆6000億円に近い金額が免税で販売されている。デパートですとかドラッグストアで販売されているということになりますけれども、その金額の約10%が消費税免税ということになりますから、1600億円をお返ししているということになります。

 

今年度、2024年についていうと、訪日外国人の消費額が8兆円になる、こういうふうに予想されていますので、三割近いということになると2兆円を超える。三割そのままだとすると2兆4000億円、そうすると2400億円もの消費税を免税としてしまっているということになります。

 

この制度がこれまでインバウンド消費拡大のツールと位置づけられているのは認識していますが、なくても買うんじゃないか、こんなようには思っています。

 

またお聞きします。一人当たりの免税購入金額1億円以上の出国者数と免税購入額をお伺いしたいと思います。

 

○斎藤副大臣 お答え申し上げます。

令和4年度から令和5年度、2か年における1億円以上の免税購入について申し上げますが、免税購入出国者数は690人、免税購入総額は2,332億円となっております。

これらの購入者に対する税関での検査状況でございますが、1億円以上の高額購入者の9

割近くが捕捉できておらず、捕捉できたとしても、そのまた9割以上が免税購入品を所持しておらず、免税購入品を所持していない者に対し消費税の賦課決定を実施したとしても、ほぼ全てが滞納という状況になってございます。

 

○中西委員

1億円以上の買物をする人が690人もいる。本当は、一日当たり、同じ場所では50万円しか買えないということになりますから、いろいろな場所で、何日にも分けて購入している。とても実需とは思えない金額です。

 

この690人の総額は、今あったとおり2300億円。一人に直して3億円以上購入しているということになります。そして、空港で捕まえても、結局お金は持っていないんです。この人たちはいわゆる買い子ですので、税は払えない、そのまま出国しているということになるので、こうした不正、消費税を払わないで国内で転売するという不正が横行しているので、今回、システム対応、今までのやり方を変えて、デパートで免税するのではなくて、空港で確認した上で還付するという方式に改めるということですが、

 

私はもう、そんなシステム対応をして、お金をかけて還付するということよりも、これは、航空会社などと話すと大変心配しています。結局、長蛇の列ができるんでしょう、そして飛行機に乗り遅れる、そんなことが起こるんじゃないのと。

 

そうしたら、日本は税金を返してあげようとしているのに、買物袋を提げた人たちに日本政府が罵られる、悪態をつかれる、こういうことが目に見えているのではないかとも思うので、私は根こそぎやめるべきではないかというふうに考えています。

 

もう一つお伺いします。外国人旅行者に対して消費税をかけない、還付するというのは国際的なルールなのか、若しくは何らかの租税協定に基づくものなのか、教えてください。

 

○斎藤副大臣

お答え申し上げます。委員御指摘のとおり、リファンド方式へのルール改正ということが今検討されてございます。

 

この外国人旅行者向け免税制度自体につきましては、観光立国の実現に資する制度であると認識をしております。一方で、委員御指摘のとおり、不正利用の懸念があるということは事実でありますので、リファンド方式への見直しということをまさに今検討を進めているところでございます。関係各所と緊密に連携して対応していくことが重要と考えております。

 

もう一点、免税制度は国際ルールかというお尋ねもございました。

 

消費税も含めた消費課税全体につきましては、消費地で課税をするということが国際的に共通した取扱いでございますので、輸出取引については国際的に免税となってございます。

 

一方で、この外国人旅行者向け免税制度につきましては、条約等でその導入が義務づけられているわけではございませんが、今ほど申し上げました、消費課税は消費地で課税をするということを踏まえて導入をしているものと認識をしてございます。

 

国際的に見ますと、外国人旅行者向け免税制度を導入している国もあれば、そうでない国もあると認識をしてございます。

 

○中西委員

日本では輸出という整理で免税になっているんですが、私の知る限り、アメリカは昔から還付していません。そして、イギリスはつい最近、三年前に、VATの国であるにもかかわらず、還付制度を廃止いたしました。決めの問題だというふうに思います。

 

最後に、財務大臣にこの問題に関する御所見をいただきたいと思います。

 

○加藤国務大臣

外国人旅行者向け免税制度、一つは、観光立国という立場での議論がございます。昨年三月に閣議決定された観光立国推進基本計画で、その利用促進などによりショッピングツーリズムを推進すると示されておりますので、まさに観光立国の実現には資する制度だと思います。

 

他方で、今委員御指摘のように、制度の不正利用が起きているというのは事実でありますので、こうした不正利用には対応していく必要があります。税関での持ち出しが確認できた場合に消費税相当額を返金するリファンド方式に見直すこととしています。

 

ただ、新制度の実施に向け、今いろいろとトラブルもあるのではないかと御指摘がございました。免税店の事務負担軽減や、外国人旅行者の利便性の向上、空港等での混雑防止に十分配慮していく必要があると考えております。

 

引き続き、関係省庁、業界団体とも緊密に連携をして、具体的な実施に当たっていきたいと考えております。

 

○中西委員

終わります。どうもありがとうございました。